Salviaテーマシートの活用例～事実婚～

事実婚は、お互いが「夫婦である」という婚姻の意思が求められます。また、改めて話し合いの中で夫婦として意思確認をすることで、お互いの意識が高まります。
（一例）
□夫婦は届け出をしないが、事実婚の夫婦となることを確認する。
□夫婦は原則、同居するものとし、住民票を同一とする。

事実婚は、法律婚に準ずる法律上の責任が生じます。日々の生活のなかでは、改まって確認しづらいことですが、とても大切なことです。
（一例）
□夫婦は生計を同一とし、事実婚に関する費用を分担しなければならない。
□夫婦は貞操義務を守らなければならない。

夫婦お互いにとって、家庭が居心地のよい空間となるよう、家事の分担や仕事への理解、夫婦の記念日のことなど、理解してほしいこと、伝えたいことを話し合っていただきます。
（一例）
□夫婦喧嘩など意見の対立が生じたときは、相手の立場に立って考え、その日のうちに和解できるよう努める。
□記念日には、お互いへの感謝の気持ちを伝え合い、デートの時間を持てるようにする。

生活の上で曖昧になりがちなお金事情ですが、しっかりと確認しておきましょう。また、事実婚の場合は、同居後に築いた財産はどちらの名義に関わらず夫婦の共有財産という考え方が基本になります。
(一例）
□生活費の管理は基本的には妻（夫）が行う。
□高額な買い物（○万円以上）をする際は、お互いに事前に相談する。

事実婚ご夫婦のご相談で多いのは、自身が病気や怪我などで入院する際、パートナーにお願いしておきたいという内容です。
最近の事実婚契約書では、療養看護についての項目にも触れるケースが多く、たとえば、お互いに病気や怪我になった場合、治療の場にパートナーに参加してもらうことを予め承諾しておきます。また、普段から自身に何かあったときは、パートナーにどのようにして欲しいのか、話し合って伝えておくことも大切です。

双方の親戚との付き合いの不満から、夫婦関係に影響し、ギクシャクしてしまうことがないよう、お互いのご家族との距離感、関わり方や考え方を確認しておきましょう。
（一例）
□将来、お互いの親に介護等が必要となった場合の対処について、よく話合いのうえ決める。
□お互いの親戚付き合いについては強制せず、できる範囲で行う。

将来、事実婚に不安を生じることがあった場合、法律婚に移行することを夫婦で話し合えるタイミングを決めておきましょう。
（一例）
□夫婦が○年経過したとき、又は夫婦いずれかが、健康に不安を感じたり、事故や病気などで入院することになったときは、法律婚に移行するか夫婦で話し合う。

事実婚の夫婦には相続権がないことなど、不安要素があることを踏まえたうえで、数年先の状況に合わせて遺言書を作成するタイミングなどを、話し合えるようにしておきましょう。
（一例）
□夫婦が○年経過したとき、その後も事実婚を継続する場合は、パートナーへ財産を遺贈する旨の公正証書遺言書を作成する。

もしものとき、夫婦の関係を解消することになったことも想定し、関係解消時の取決めについて、話し合っていただきます。
（一例）
□関係解消に至った場合は、夫婦が事実婚の意思確認をしたときから、離婚までの財産については、夫婦間の共有財産とし、分与の対象とする。