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夫婦間の財産に関する取決め

結婚や再婚・事実婚までの間に築いてきた預貯金や不動産などは、基本的に個人の財産となり、夫婦の共有財産から除きます。しかし、結婚(再婚・事実婚)してから、生活がスタートすると、どこからどこまでが固有財産だったか曖昧になってしまいがちです。それを夫婦の共有財産と分けて、お互いに確認しておきましょう、というのが財産の取決めです。

例文

  • 不動産を購入する際の頭金について、その金額は婚姻期間中に貯蓄したものではなく、夫・妻​の持参金若しくは個別の収入により算出したものであることを、相手方は確認する。
  • 不動産について、登記名義及びローン名義は 夫・妻の個人名義となっているが、その実態は夫・妻が経営する法人の資産運用若しくは法人財産として購入したものであり、その資金についても相手方は了解した。

財産の取決めをしていなかった例

≪ある夫婦の例 ケース①≫

A夫とB妻は、15年前に結婚しました。
結婚式の費用や新婚旅行などの費用は、A夫とB妻が等分に負担しました。
結婚に際してB妻は勤めていた会社を退職。専業主婦となりました。
A夫…サラリーマン
B妻…専業主婦

結婚してすぐに都内の良好な場所にある2500万円のマンションを購入しました。
マンション購入の頭金500万円は、娘夫婦のためにとB妻の父親が出しました。
残り2000万円、B妻は無職のため、銀行ローンはA夫の単独名義。
それから15年後、A夫とB妻の離婚が成立しました。
子どもの養育費については話がつき、あとはマンションの処分のみ。
都内のマンションは若干高騰しており売却した金額は3000万円。
残りのローン1000万円を支払い、手元に残ったのは2000万円。
A夫は「財産分与として1000万円ずつ折半にしよう。」と提案。
B妻はマンション頭金として父が出してくれた500万円は返したいし、財産分与とは別に考えて欲しいのですが、A夫は自分の給料からローンを支払ってきたのだからそれはできないと言われてしまいました。


この事例を読んで、どう思われましたか?
気になるのはマンションの購入の頭金として援助してくれたB妻の父の500万円ですね。
B妻の父にすれば、新婚の娘夫婦のためを思って出した頭金。
離婚することなど想定するはずもなく資金援助されたことでしょう。
当然、末永く幸せな結婚生活を送ってくれるはずと、書面で何かを残すこともありませんでした。しかし時は経ち、二人は離婚に至ってしまいました。

このケースで家庭裁判所に調停を申し立てしても、おそらく調停委員からもマンションの財産分与については1000万円ずつ折半してはどうかと、和解を求めてくるでしょう。

しかし、結婚してマンションを購入したときに、頭金はB妻の父からの補助金であることを明記した契約書を残していれば、この500万円は夫婦の共有財産にはなりませんでした。
これは、タンス預金や車などの動産にも当てはまることで、結婚してしまうとつい曖昧になってしまうことです。
夫婦以外の第三者には対抗することはできませんが、(夫の借金で差し押さえられてしまうなど)夫婦間においては、とても重要なことなのです。

夫婦間の契約はいつでも取り消せる?


民法第754条には、【夫婦間で交わした契約は、婚姻後何時でも取り消すことができる】という規定があります。
「夫婦間の問題に、法律が口をはさむべきではない。」という考えからです。
このことから、どんな契約も夫婦間ならば白紙撤回されてしまうのでは?と思われる方もおられるでしょう。
しかし、
だからといって約束を破ってもいいというわけではありません。なぜなら民法の基本は「信頼を裏切らないように誠意をもって行動しなければならない。」というのが原則だからです。

約束ごとをきちんとした手続を踏んで書面に残しておく。
行政書士が作成し、夫婦双方の意思確認をしたうえで、公証人の認証を受けた書面であれば、不誠実に約束を破るということはできません。


また、二人で確認した財産についての各人の所有権については、
お互いの確認記録であり契約ではないので、書面を残すことにより、二人の間ではいつまでも主張できます。

 

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